ゴリラは歌舞伎だ

1月14日の「ゴリラは歌舞伎だ」について、山極寿一さんがPOPOF(ポレポレ基金)のブログに文章を寄せられましたので、当日の写真と共にこちらにも転載させていただきます。

30数年前に野生のゴリラに初めて遭遇した時から、「ゴリラは歌舞伎だ」と思ってきました。ゴリラのドラミングというディスプレイが歌舞伎の見得 とそっくりだったからです。大相撲の仕切りや立会いともよく似ていて、オスと男のカッコよさを追求してきた結果、表現が似てしまったということな んだろうと思います。ということは、ゴリラと人間の社会に対する構えが似ているということ。それは何なんだろうということになります。今回それを 廣瀬千紗子さんに詳しくお聞きすることができました。歌舞伎における「間」というものがとても大事だということも、ゴリラとよく似ていますね。い しいしんじさんの手回し蓄音機で昔の歌舞伎のレコードを聴き、その絶妙な言い回しややりとりに秘められている世界の意味を垣間見た気がします。 今、歌舞伎が流行っているのも、戦乱から安定期に向かった江戸時代の初期に歌舞伎が成立した頃の社会的背景と似ているせいなのかもしれません。いろいろと考えさせられた会でした。感想はまた、改めて述べさせていただきますが、寒い中お集まりいただいた皆様に感謝します。

山極寿一

写真は、先日(2013, 1/14)の「ゴリラは歌舞伎だ」の模様です。

いしいしんじ氏(向かって左)と廣瀬千紗子氏(同右)、蓄音機のコロちゃん(中央)

 

いしいしんじ氏(向かって左)と廣瀬千紗子氏(同右)、蓄音機のコロちゃん(中央)

山極寿一氏(向かって左)